兄弟
兄弟
学校で、職場で、飲み会の席で、美容室で、人は家族構成を聞いてきます。
兄弟は?
相手にとっては、コミュニケーションをとるための何気ない会話なのでしょう。でも私にとっては、その質問を受ける事自体が何よりの苦痛でした。
「またか。別にそんな事聞かなくて良いじゃないか。いったい、あなたに何の関係があるんだ。」
人生において、何度そう思った事でしょうか。その質問を受けるたびに、暗い気持ちにどっぷりつかってしまう自分がいました。
ここは適当にうそを言って、ごまかすしかない。
何故なら、相手には本当の事を言われたときの心構えも、フォローの言葉も容易されていないからです。
相手はただ単に、共通の話題を求めていただけです。軽い気持ちで、会話の切り口を探していただけなのです。
本当のことを言って、相手の笑顔を曇らせて、その場の空気を暗くしてしまう必要もなければ、同情をかう筋合いもありません。
しかし、適当にその場を切り抜ける事が出来たとしても、僕の胸は張り裂けそうになるのです。さっきまでは他の事を考えていたのに、障害者の弟がいるという現実を思い起こす事で、憂鬱な気分になるのです。テンションは下がり、目線は下に行ってしまうのです。
相手からすれば、奇妙に写ったかもしれません。
兄弟の事を聞いただけなのに、とたんに様子が変になったとか、会話のキャッチボールが出来ないやつだと思った人もいたのかもしれません。
ただ、弁護させてもらうならば、私は人生の中で嘘をつく事には慣れていないのです。
ウソをつかなければならないこと自体が屈辱でもありました。
ただ私も、大人になって随分経ちました。
人生を深く考える事で、やっとその事を肯定的に捉えられるようにもなってきました。
小さい頃に自然にそう思っていたように、弟の事をかけがえのない、可愛い存在だとも思えるようになってきました。
障害者を兄弟に持つことの意味も見えてきたような気がします。
だから、その考えをまとめるための場として、このブログをつくっていきたいと思います。
そしてこのブログを読む事で、生きる勇気が沸いてくるくる人が少しでもいてくれのなら、僕が存在し、僕の弟が存在した意味があったのかなと思います。
もう就職した、子供が3人います。
父親が遺伝も疑われる病気で、障害者になったこと、、よその父親と違う親を、子供たちはどのように受け止めてきたのだろうか、、、、
あなたのページを見て、とても、うれしい、
あなたの存在も、弟さんの存在も、とても、励まされるものです。
ページの更新を心待ちにしております。
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